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過去の掲載記事(10)

46. ジョシュア・ベルの好演、ショーソン「詩曲」:文字通り詩的な名曲、ヴァイオリンのベルは線が細めだが、深く踏み込んだ表情豊かな好演、アンドルー・リットン/ロイヤルフィルも幻想的で、ソロ・ヴァイオリンを柔らかく包み込むようにスケール感を醸し出している。かつて音質は今一だが、ジネット・ヌヴーによる迫真の名演(ドブローウェン/フィルハーモニア)がある。3月22日15:30~約25分間。

47. ウィンナワルツ、これなら聴ける本場もの:いずれもヨハン・シュトラウス作曲、カラヤン/ウィーンフィルによる「こうもり」序曲、ウィリー・ボスコフスキー/ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団による「美しく青きドナウ」、「南国のばら」、「皇帝円舞曲」。各曲ともウィーントーンとも言うべき弦の緻密で艶やかなかな響きが楽しめる。特にボスコフスキーの自在な強弱、テンポ捌きが光る、よく統制の効いた巧い演奏、ついつい浮かれてしまう。4月4日朝7:25~約45分間。

48. ヘンデルのハープ協奏曲op.4-6、美しい弦のアカデミー室内菅:ハープの魅力を巧みに引き出した名曲、オルガン協奏曲としてもお馴染み。演奏は中庸なテンポで快適、優雅なジャン・フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管/オケにしっとり、くっきり刻み込む端麗なリリー・ラスキーヌのソロがお手本。一方マリサ・ロブレス/アイオナ・ブラウン指揮アカデミー室内管の演奏は弦の美しさが聴きどころ。アカデミー楽団の魅力がネヴィル・マリナーから次世代にきっちり引き継がれているようだ。ハープはラスキーヌには及ばない。4月18日朝8:07~約15分間。

49.「悲しみの聖母」ならばやはりペルゴレージ:数ある「スターバト・マーテル 悲しみの聖母」のうちペルゴレージ作が印象的。ラヘル・ハルニッシュ(ソプラノ)、サラ・ミンガルド(コントラルト)/クラウディオ・アバド指揮モーツァルト管弦楽団の演奏は古楽アンサンブルによるものとはやや異なり声楽ソロが際立ち気味、立体的で聴きごたえがある。この盤では14曲からなるが、メロディーの美しさや充実度から見て、第1、3、10、14曲が最も良い。4月18日朝8:18~約50分間。

50. ベーム/ウィーンフィルによるライヴ力演、ブラームスの交響曲第1:カール・ベームはライヴでは熱が入るらしい。1975年3月17日の日本公演、弦と金管を目いっぱい鳴らし、ヴァイオリンの穂先がきっちり揃って綺麗。ウィーンフィルの長所を存分に引き出した好演である。特に中低音をたっぷり滑らかに歌った第2楽章、スケール絶大で終盤が闊達な第4楽章が印象的。4月25日朝8:20~約55分間。名盤はベイヌム/コンセルトヘボー(モノラル録音、ロンドン系)、絶妙緻密なテンポ、強弱、壮大なスケール、ステレオ録音を思わせる当時としては素晴らしい音質。

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