top of page

ラングレー/NDRが大胆、個性的、サンサーンスの交響曲第3

  彼の管弦楽の代表作、オルガンが入り派手、壮大な一方幻想ムードを醸し出し親しみ易い。嫌味や臭みが全く無くむしろフランス風のリッチな肌触り、優美さが特徴的だ。以前仕事疲れの癒しによく聴いたものだが、スカっと憂さ晴らしに重宝、疲労など吹っ飛んでしまう。そんな名曲だけに幾多演奏がある中、ルイ・ラングレー指揮NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団の演奏は肉厚でがんがん鳴らすがよく締まり、緩急、強弱が大胆、個性的だ。それが巧く機能して大いに盛り上がり好演に仕上がった。ライヴ(2025年6月ハンブルク)で、同時に奏じたラヴェルの「マメールロア」も結構行ける。フランス出身のラングレーだからお国ものは得手なのかもしれない。NHKFM「聴き逃がし」:12月11日放送の「ベストオブクラシック」から常時聴ける。

試聴:各楽章抜粋

くっきり、統制の取れた快演、ショスタコーヴィチの交響曲第5 

  彼にしてはオーソドックスな曲造りとは言え、やはり色気が乏しく、暗く珍奇。しかし醸し出す異常な雰囲気は彼の真骨頂だ。雲行きが怪しく嵐が迫りそうであったり、打って変わって変ちくりんな喧噪になったり、誠に面白い。演奏の秘訣はどろ沼にはまらないこと、うっかりするとそこから抜け出せない混沌とした駄演が目に付くからだ。その点エフゲーニ・ムラヴィンスキー/レニングラードフィルはくっきりとして統制がしっかり取れている。音造りにも気配りがあり流石一流の響きをを聴かせてくれる。1973年の東京でのライヴだが、マイクが近いのか臨場感があり好音質、殊に弦が優美。NHKFM「聴き逃がし」:12月13日放送の「音楽の泉」から常時聴ける。

試聴:各楽章抜粋

© 2023 by GREG SAINT. Proudly created with Wix.com

bottom of page