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61. 目を見張るほど弦の美しいモーツァルトのCl.協奏曲:クラリネット協奏曲K.622は彼晩年の作だけに中身の濃いなかなか凝った造りをしている。ポール・メイエのソロ/デーヴィッド・ジンマン指揮イギリス室内管弦楽団による演奏、目を見張るほど弦が美しい。第1、3楽章などソロとオケとの絶妙の掛け合いと調和も魅力的である。第2楽章もとろけるようで心地良い。8月29日朝8:40~約35分間。
62. マーラーの交響曲「巨人」、バーンスタイン/ニューヨークフィル:マーラーの代表作、最終第4楽章は変幻自在で劇的あるいは牧歌的な名曲である。レナード・バーンスタインはかなりストレートで劇的だがくどくなく、程良く抒情的に仕上げている。1966年の録音とは思えない素晴らしい音質。8月30日朝8:15~約60分間。また彼にはコンセルトヘボー盤(ライヴ録音)もありよりメリハリが効いていて良い。
63. ドボルザークの「新世界」、まるで生演奏を聴く様な臨場感:ドボルザークの交響曲第9番、ジェームズ・レヴァイン指揮ドレスデン国立管弦楽団は音質が抜群なので臨場感一入。演奏そのものに特筆すべきものはないが、高音質が効いてフォルテシモが壮大に聞こえる。まるでコンサートホールで聴くかの様に楽器のロケーションまでわかる立体的で澄み切った録音。11月8日朝8:30~約45分間。
64. 存外聴けたハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」op.76-3:ハイドンの弦楽四重奏曲を耳にして記憶に残る演奏がない中、ウィーンアルティス奏団が弾く「皇帝」を聴き、久々に堪能した。みずみずしく、活き活きとして、よくハモッているし、奥行きも感じられる。第2楽章の今一物足りない部分を除いて全楽章とも上出来。各パート、特にヴァイオリンが艶やかにしっかり鳴らしている。11月10日朝9:18~約31分間。
65. ホリガーの名演、A.マルチェルロのオーボエ協奏曲ニ短調:バロック音楽の精華、名曲中の名曲、白眉は哀愁に満ち満ちた第2楽章。ハインツ・ホリガーは艶やかできめ細かく、程良く抒情的でエレガント、イ・ムジチ合奏団もソロをソフトに包み込んでいて心地良い。12月6日朝7:39~約16分間。なおピエール・ピエルロ/シモーネ指揮イ・ソリスティ・ベネティも名演であるが、録音が自然でより鮮明なこのホリガー盤の方がお薦め。