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11.ハチャトゥリアンの彼自身が指揮したヴァイオリン協奏曲:ローカル色を超越した磨き抜かれた指揮ぶり、奥深い快適な雰囲気を醸し出している(モスクワ放送交響楽団)。ダヴィッド・オイストラフは何時になく濃密な迫真の秀演、ハチャトゥリアンからこの曲を献呈されたそうでなるほど身の入れ方が違う。彼の記念盤と言える。1965年の録音。4月26日朝7:46~。両人は1954年にも録音(モノラル)していてやはり熱演だが(フィルハーモニア菅)、前者の方が音質が艶やかで良い。この間約10年の録音技術の進歩は目覚ましい

12.マーラーの第4交響曲は弦の綺麗なこの盤:マーラーは波がぐーっと迫っては引きまた迫って来て管、打楽器が時に渋く時に高らかに響きわたる、そこが魅力。エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団('85年)は弦がとても綺麗で、表情豊かなウィーンスタイル、特に第3楽章が幻想的で良い。

13.ニコラウス・アーノンクール/ヨーロッパ室内管のベートーベンピアノ協奏曲No.1:単なる伴奏指揮を超越した芸格、際立つ起伏と音の始末の巧みさ、ピアノを引き立てるうまさなどなかなか憎い。ピエール・ローラン・エマールのピアノは風格は今一だが、エレガントなのが魅力、オケとの調和もよい。5月10日朝8:35~約40分間。

14.ラファエル・クーベリック/ベルリンフィルのドボルザーク第8:郷土色が鼻につくこの交響曲だが、その風土を超えた、第9「新世界」につながる開放感、躍動感溢れる、垢抜けした好演。クーベリックのお国ものだけに並々ならぬ意気込み、聴き応えがある。1966年の収録だが、音質も申し分ない。5月11日朝8:35~約45分間。

15.グノーの交響曲第1番:知る人ぞ知る快作。交響曲らしからぬ印象、歌劇の序曲ないし舞踏曲のように軽妙、快適で、わくわく。モーツァルトの交響曲が好きな方、フランス風の薫りに触れてみたい方にお勧め。ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管。旋律が特異的な第1楽章、次いで第3楽章が良い。5月13日朝7:25~約35分間。

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